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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


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議員名石田昌宏(自由民主党)

2021年5月19日

委員会名参議院 本会議


「自由民主党の石田昌宏です。私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。現下の新型コロナウイルスとの闘いが一年以上も続いています。国民は疲弊しています。感染によって命を失う人や家族の苦しみ、感染者のために、そして社会機能の維持のために全身全霊で職務に当たっている人々の御苦労を思い、一人一人が感染対策をしっかりと続け、そして政府は国民に寄り添い、さらに積極的に支援を行っていただきたいと存じます。医療については、教訓を生かした体制を今後構築しなければなりません。医療従事者の確保はもちろん、衛生用品や医薬品等の隅々までの流通体制の整備、新たな医療に対応するための医療従事者の生涯教育の拡充、地域での連携強化や情報共有体制の構築など、ハードからソフトまで様々な課題があります。今回の健康保険法等改正案の目的である全ての世代の安心を守り抜くためには、その基盤となる医療機関、医療人材を必ず守り抜くことが必要です。しかし、世界から注目されている日本の国民皆保険制度といいながら、実は先進諸国と比較して、患者一人当たりの看護師や医師は五分の一から半分しかいないことからも分かるように、日本の皆保険制度は医療従事者の献身的な犠牲の上に成り立っています。世界に冠たるはずの日本の医療がコロナで崩壊すると言われているのは、そもそも平時からの張り詰めた糸のような緊張の上での仕事を医療従事者に強いてきたからであり、特に診療報酬、この在り方を大きく見直す必要があると考えています。医療従事者、特に看護師や医師の不足を解消し、医療人材を育て、未来を支えるための総理の御所見をお伺いします。今回の改正案を俯瞰すると、平成二十四年に議員立法として成立した社会保障制度改革推進法がその後の社会保障制度の見直しの基本にあることを意識せねばなりません。この推進法は、社会保障制度改革の基本を、一、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるように留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家庭相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと、二、社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること、三、年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること、四、国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすることとしています。そして、この基本に沿って様々な改革がこれまで行われてきました。年金制度では、受給開始時期の選択肢の拡大や在職中の年金受給の在り方の見直し、医療・介護制度では、後期高齢者医療制度の見直しや地域包括ケアシステムの強化、地域医療構想を踏まえた病床の機能分化、連携の推進、就労制度では、七十歳までの就業機会を確保する制度の創設など、多様で柔軟な働き方の実現を目指した働き方改革、子ども・子育て支援では、幼児教育、保育の無償化や待機児童の解消、このように、この間順次、基本に沿って社会保障制度の見直しが行われてきました。そして、いよいよこの度、健康保険法等の見直しが行われることになりました。そこで、総理にお伺いします。これまで一貫してきた改革の基本を、今回の健康保険法等改正においてどのように反映しようとしているのでしょうか。今回の法改正により、令和四年度後半から、後期高齢者医療の被保険者のうち、現役並み所得以外の被保険者であって、一定所得以上であるものについては、窓口負担の割合が二割となります。令和四年度以降、団塊の世代が七十五歳を超え始め、後期高齢者支援金の急増が見込まれるわけですから、貯蓄も少なく、住居費、教育費等のほかの支出の負担も大きい若い世代に負担を求めるのは厳しく、後期高齢者であっても負担能力のある方に可能な範囲で御負担いただくという方向性は、さきに言及した社会保障制度改革の基本に沿うものです。一方、負担が増えることによって、病気になりやすい高齢者の方々が高くなる医療費負担を気にして受診を控えるということがあっては、健康寿命を延伸させていくという方向性に相入れないことになりかねません。そこで、ほかの世代と比べて医療費が高く収入が低くなりがちといった高齢者の生活実態を踏まえつつ、どのような考え方によって二割負担の線引きをされたのでしょうか。また、受診抑制の防止のための配慮はどのようにしていくつもりなのでしょうか。厚生労働大臣に伺います。健康保険法に基づき設立されている健康保険組合は、二〇一九年度の時点で約千四百組合、加入者は、従業員やその家族など約三千万人です。しかし、高齢者医療への拠出金負担の増加による財政状況の悪化で、保険料の引上げを決める健康保険組合が多くなっています。今回の法改正では、健康保険組合の財政状況や保険料の改定等に対してどのような配慮がなされるのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。後期高齢者医療における窓口負担割合の見直しの背景の一つに、働く意欲があればいつまでも働くことができる生涯現役で活躍できる社会づくりを推進していくという考え方があります。このような社会の実現のためには健康寿命の延伸が必要です。残念ながら、我が国では平均寿命と健康寿命の差が大きく、それがゆえに差を縮めていくことは生涯現役で活躍できる社会づくりに極めて大切な視点ですが、どのように実現していくつもりですか。厚生労働大臣に伺います。少子化についても我が国では歯止めが掛かっていません。新型コロナウイルス感染症が広がる中、婚姻や妊娠が減っています。結婚したい、子供を育てたい、そう願っている方々に、政治としてもっとしっかり向き合っていかなければなりません。総理は、不妊治療支援の大胆な充実を図っていますが、子育て世帯の経済的負担軽減も更に進めていく必要があると考えます。そこで、菅内閣は、子育て世帯に向けた支援や配慮をどのように展開していくつもりでしょうか。全世代型社会保障制度を構築していく中で、あらゆる領域で、子育て世代、そして子育てそのものをしっかりと支えていくというメッセージを伝えていただきたいと存じます。総理にこの点を最後にお願いして、私の質問を終わります。」


→議事録全体を見る(国立国会図書館 国会会議録検索システムが別タブで開きます)

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