希望日本賛同議員国会発言データベース
賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。
(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。
また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)
羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。
発言の詳細を表示します。
議員名武見敬三(自由民主党)
2019年3月12日
委員会名参議院 外交防衛委員会
「今年はいよいよ平成という時代が終わり、そして新たな年号の時代を迎えようとしております。改めて、このように天皇のその世襲という継続の仕方によって年号が替わる、その意味するところは、やはり年号というものと我が国における天皇の在り方というものが密接につながっていることを私は意味していると思います。そういう観点から、平成という時代は一体どういう時代であったか、改めてそれを総括することがこうした時代の大きな変わり目においてきちんとしておくべきことだろうと、こう考えました。その際、保守リベラリズムという思想は、こうした時代を見る上での一つの重要な視点を提供しているというふうに思います。それは、言うなれば、国及び国民の統合の象徴として天皇というものを世襲で抱く。これは、言うなれば、歴史の中で育まれた保守思想の中で組み立てられたものであります。これと同時に、今度は、憲法の下で、国民の主権、そしてまた民主主義及び平和主義、こういった観点というものはまさにリベラリズムの視点であって、この保守思想とリベラリズムというものがどのような形で合体をして今日にまで至っているのか、こうした視点に立って考えてみることで一定の時代を理解をする一助になると私は考えます。その上で、我が国のこの一見矛盾したような保守思想とリベラリズムというものが、極めて大局観を持った現実主義というものを踏まえて我が国は極めて融合をしてきたというふうに思っております。この場合、やはり国民の多くが天皇に対する尊崇の念を持って、それを総意として形成することによって民主主義の原理原則とも合致した形で天皇という在り方が裏付けられ、それによってこの両者が融合するということになるというふうに私は考えます。その上で、この平成という時代は、まさに天皇陛下が災害のときに被災者を実際に訪れ、そして被災者の人たちに寄り添う形で激励をされる、こうした天皇陛下や皇后陛下のお姿というものを通じて多くの国民がこうした天皇と国民との間の一体感というものをしっかりと私は持つようになった時代であったというふうに思いますし、また、海外で第二次世界大戦中の激戦地に赴き、こうした地域で実際に国のために戦い命を落とした、そうした人々に対する鎮魂とそして慰霊のための旅を続けられた。こうしたことは、やはり平和に対する重みというものを、戦争を体験していない我々の世代の者に対してもそれを知らしむる上で大変大切な役割を担った。そういう意味で、この象徴天皇制というものを定着せしむると同時に、この平和主義というものとそれが合体する形でこの平成という時代の国の形ができ上がったというのが一つの総括の仕方ではないかというふうに私は考えました。この保守思想とリベラリズムというのは、あらゆる局面に対応して出てくるように思います。外交、安全保障においてもしかりであります。我が国は、主権国家として我が国の国民の生命と財産というものをあらゆる脅威から守る責任を私は国というものは持っていると思います。したがって、外交、安全保障という観点から、そうしたあらゆる脅威に対してしっかりと対応できるその役割を担うことが主権国家としての国の役割だろうと思います。他方において、過去の歴史の教訓から、我が国が外交戦略上の意図に関して見れば、これはやはり平和主義というものをしっかりと基調としてこの外交、安全保障という観点をやはりきちんと捉えておくことが必要。 このように、戦略的な意図と能力という二つに分けて、一見相矛盾するようなこうした考え方をいかに融合させるかが我が国の外交、安全保障を考える上でも重要であって、であるがゆえに、二院としてのこの参議院は、あえて外交防衛委員会という、外交と安全保障に関わる防衛という問題を一つの委員会で討議をする場にしているというのは、私はこうした考え方に基づいているというふうに思います。これらの視点について、是非、外務大臣からの御所見を伺いたいと思います。」