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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


議員名田畑裕明(自由民主党)

2019年5月10日

委員会名本会議


「令和の新時代の幕あけが国民の慶賀に包まれて始まっていることに喜びと高揚感を感じています。ここに、天皇陛下の御即位に謹んで慶祝の意を表したいと思います。全ての子供たちが健やかに育つ環境を整える決意を申し上げ、ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、総理大臣及び厚生労働大臣に質問をいたします。児童虐待防止対策の強化については、自由民主党といたしましても、虐待に関する特命委員会において、馳委員長のもと、議論を重ねた上で提言をまとめ、政府に申入れを行ったところであります。本法律案は、我々の提言も十分に踏まえた上で、児童虐待防止対策の強化を図るため、児童の権利擁護、児童相談所の体制強化及び関係機関間の連携強化等を内容とするものと承知をしております。児童虐待をめぐる状況につきましては、児童相談所における児童相談対応件数が一貫して増加をしており、直近の数字となる平成二十九年度の実績では、十三万件を超えております。この数字は、児童虐待防止法の制定直前である平成十一年度と比べると、実に十一倍以上となっています。そこで、まずは、このように児童虐待相談対応件数が増加していることに対してどのように取り組んでいくのか、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。なお、児童虐待の相談窓口に関しては、児童相談所全国共通ダイヤル「いちはやく」について、より広く国民に認知され活用されるよう、今後も積極的な取組を期待しております。また、「いちはやく」は虐待通告の受け付けを中心とし、それ以外の相談と番号を分けるなど、相談等にきめ細かく対応できるように運用を改善するとともに、通話料無料化も今年度の早期実施に向けてスピード感を持って対処することを望みます。昨年三月に目黒区で起きた結愛ちゃんの事件、本年一月に千葉県野田市で起きました心愛さんの事件を始め、心が張り裂けそうになる痛ましい児童虐待事件が相次いでいます。これらの事件を始め、親がしつけと称して体罰を行い、子供が虐待により死亡する事例が後を絶ちません。体罰を行うことは、児童虐待につながるものであり、子供の健全な心身の育成という観点からも、決して許されるものではないと考えます。体罰は許されないことを国民全体で共有し、体罰によらない子育てを推進していくことが重要と考えますが、今後どのように取組を進めていくのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。一方で、虐待が深刻な場合には、子供の安全を確保することを最優先に考える必要があり、時には、一時保護等の措置を適切に行うことで、混乱した生活環境から子供を離すことも重要となります。そのためには、一時保護所の受皿が十分に存在しなくてはなりません。さらに、子供が一定期間生活をする場であることを考慮すれば、子供の健全な成長という観点から、一時保護所の生活環境を整備していくこともあわせて重要な課題と考えます。このため、一時保護所については、その受皿の拡大に加えて環境改善も含めた整備について今後どのように取り組んでいくのか、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。千葉県野田市の心愛さんを担当していた柏児童相談所の管轄区域の人口は約百三十万人を超えていました。管轄人口の多さは、それだけ児童相談所がカバーすべき領域が広いことも意味します。少しのリスクも見逃すことがないよう、一人一人にきめ細やかに対応していくためには、児童相談所の設置を促進し、虐待対応の網の目を密にしていくことが重要です。一方で、そのことは、児童相談所という建物があればよいということではありません。専門職による適切なアセスメントや子供たちのケアを行うことができる機能を持った児童相談所を設置できるかどうかは地方自治体の置かれた状況によってもさまざまであり、地域の実情を無視した設置は、かえって子供たちに適切なケアを届けることができない可能性もあります。今後、児童相談所の設置を促進していくべきと考えますが、その際、地方公共団体とも十分な意見交換を行い、地域の実情にも目を向けて虐待対応の体制を整備していくことが重要と考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。次に、児童相談所の職員の処遇改善についてお伺いいたします。現場で一つ一つのケースに向き合う職員がいなくては児童虐待防止対策は成り立たないことは言うに及びません。痛ましい事件は世間の耳目を集めますが、夜間、休日を問わず児童虐待事案の対応に当たっている現場の職員の方々の存在によって多くの子供たちの命が救われていることもまた我々は忘れてはなりません。他方で、その重責や夜間、休日対応は、大きな精神的プレッシャーや肉体的な負担をもたらすことは想像にかたくありません。今回の改正法案や、本年三月の関係閣僚会議決定に盛り込まれた対策を着実に実施していくことは、子供たちの命を守るためには必要不可欠なものであると考えますが、その一方で、現場の職員の方々については、今まで以上に負担が生じていくことも事実です。こうしたことを考えたとき、児童相談所の第一線で働く児童福祉司等の職員については、その職責の重要性と精神的、肉体的負担に見合った処遇を確保していくことが国としての責務と考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。最後に、児童虐待防止に向けた総理の決意をお伺いいたします。目黒区の事案や千葉県野田市の事案が発生した際には、政府は、一丸となって迅速に対策を策定するとともに、保育園、幼稚園等に通っていない児童等の状況把握や在宅の虐待ケースに対する緊急安全確認などに取り組んできました。また、今年度からは、児童福祉司の大幅な増員計画がスタートいたしました。政府におかれては、今後もこれらの取組をしっかりと進めていただきたいと考えますが、二度と痛ましい虐待事案によってかけがえのない子供の命が失われることがあってはなりません。児童虐待のない社会をつくっていくためには、総理の力強いリーダーシップのもと、各省庁が緊密に連携して対策に取り組んでいくことが重要と考えます。児童虐待の根絶に向けた安倍総理の決意をお伺いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。」


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