希望日本研究所とは、「希望あふれる日本」にするためには何をすべきかを常に考え、提言し、実行していく場所です。

希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


Warning: Undefined array key 12 in /home/kiboucollege/kibounippon.jp/public_html/kri/index.php on line 173

議員名井上英孝(日本維新の会)

2021年4月20日

委員会名衆議院 本会議


「日本維新の会の井上英孝です。私は、党を代表して、ただいま議題となりました菅総理の訪米報告について質問いたします。日米首脳会談後に発表された共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」の題名にあるように、日米同盟は新時代に突入いたしました。世界の重心は自由と強権がせめぎ合うインド太平洋に移っていますが、この地域に自由で開かれた未来は保証されていません。最大の要因は、東シナ海、南シナ海などで一方的な現状変更に動く中国の存在にほかなりません。米中の新冷戦は、相入れない価値観で世界を分断する、民主主義と専制主義の戦いと化しています。だからこそ、日米首脳が膝を突き合わせて危機意識を共有し、世界に結束の強化をアピールした意義は非常に大きいと考えますが、新時代の同盟の試金石となるのはこれからです。首脳会談では、同盟を強化するための具体的な方途の検討を加速することで一致しました。日本には従来と次元の違う貢献と役割が求められ、自ら主体的に対処力を高めていくことも不可欠です。総理が現時点で思い描く、同盟強化に向けた具体的な方途の青写真はいかなるものか、また、日米同盟をより堅固にし、我が国の経済面での対中依存度を漸次低下させていく、新たな外交・安保戦略というのも求められると考えますが、総理の見解を求めます。トランプ前政権下では、対中批判の先頭に立っていた米国に追従していれば中国との正面衝突は避けられましたが、局面は変わったように思います。対中戦略でバイデン政権が日本に望むのは、米国と並走し、日米同盟を原動力に、その輪をオーストラリア、インドを加えたクアッド、ひいては欧州、ASEAN諸国に着実に広げていく、重責の一端を担うことだと考えますが、総理の認識をお伺いいたします。共同声明では、台湾海峡の平和と安定の重要性が強調されました。日米首脳が共同文書で台湾に言及するのは、日中国交正常化前の一九六九年以来、五十二年ぶりのことで、対中関係の再考をも迫る重みを感じます。中国は、昨年来、空軍機を台湾の防空識別圏に繰り返し侵入させています。価値観を共有する台湾を守らなければ、日米が牽引する国際秩序は崩れます。日米にとって、力で台湾統一を図ろうとする中国の暴挙阻止は焦眉の急です。また、台湾有事が直ちに日本有事に波及するおそれは否定できません。台湾を含むアジア防衛の米軍の拠点は嘉手納などの沖縄県内の基地であり、中国が真っ先に標的に据えてくることは十分想定されます。したがって、台湾有事に直面すれば、平成二十八年施行の安全保障関連法の下、日本が米軍などへの後方支援を行う重要影響事態にとどまらず、日本の存立が脅かされる存立危機事態に該当し、限定的な集団的自衛権の行使が求められることが考えられますが、このことに、仮定の話と言わず、率直な答弁を総理に求めます。中国が狙う沖縄県の尖閣諸島は、台湾と一蓮託生の関係にあります。中国にとって、尖閣と台湾は太平洋に出るために必ず確保すべき戦略的要域です。中国が国際法違反の海警法を制定し、海警局が第二海軍のよろいをあらわにした今、日本の尖閣防衛策に綻びが生じています。海上保安庁であれ、自衛隊であれ、領域警備活動や海上警備行動は、共に法執行上での警察行動に限定され、軍事作戦の遂行をも担う中国の海警船を相手にするのは極めて危険かつ不条理であります。共同声明では、日米安保条約第五条に基づく米国の防衛義務の尖閣適用が改めて確認されました。これを成果だと言うならば、日本が中国に対し何ら効果的な手だてを持ち合わせていないと言うのも同然と考えますが、総理の見解を求めます。傍観していては、米軍も動きません。尖閣防衛戦の主体は日本です。我が国の領土、主権は独自に守り抜くという強い覚悟が求められると考えますが、総理の認識をお伺いいたします。現行法の運用で事足りると悠長に構えず、中国海警に最前線で対峙する海上保安庁に対して国の守りを託せない状態にしてしまっているのが海上保安庁法であり、その見直しが喫緊かつ現実的な課題と考えます。現行法では、海上自衛隊との連携も円滑に進みません。海保法改正に対する総理のお考えをお伺いいたします。共同声明では、中国による新疆ウイグル自治区や香港での過酷な人権弾圧に深刻な懸念を共有しましたが、日本政府には対中制裁の具体的な選択肢はなく、米欧との対応に温度差があります。ウイグル人弾圧をめぐり、G7で中国共産党に制裁措置を取っていないのは日本だけであります。政府は、制裁を実施する法規定がないと説明しています。ならば、なぜ法整備を進めないのですか。国会では、党派を超えた議員立法で、いわゆるマグニツキー法を制定する動きがありますが、総理はどのように評価されますか。併せてお答えください。首脳会談では、北朝鮮のあらゆる弾道ミサイルの完全廃棄を求め、膠着状態の日本人拉致問題についても、日米が連携して北朝鮮に即時解決を求めていくことが確認されました。それは歓迎いたします。ただ、我が国が、北朝鮮による日本人拉致は許されざる人権侵害であると国際社会に訴え、協力を仰いできたことを忘れてはならず、中国の人権弾圧に対して、米欧と歩調を合わせ、毅然と対応していくと明言していただけませんか。中国との戦いで米国が最良の伴侶に据えたものは、固いきずなで結ばれ、地政学的にも最前線にある日本です。無論、日米の国益が完全に一致するわけではありません。まずは我が国の国益を突き詰め、したたかに振る舞うことも不可欠です。最後に、その言葉と決意を総理にお伺いし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。」


→議事録全体を見る(国立国会図書館 国会会議録検索システムが別タブで開きます)

戻る