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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


議員名大野元裕(国民民主党)

2019年5月28日

委員会名参議院 外交防衛委員会


「まず、質問させていただく前に、ちょっと気になったので中前局長にお伺いをしたいんですけど、先ほどの白先生との質疑のやり取りの中で、ヨルダンとUAEの協定について、中前中南米局長が現在の状況についてお答えになりました。どういうキャパシティーでお答えになったのでしょうか。また、今後、UAE、ヨルダンの協定出てきたときに、中前局長が責任を持ってこれからやられるということでよろしいですね。これ、御確約ください。」 「済みません、私の質問に答えていません。今後、UAEやヨルダンについても責任を持って中南米局長がおやりになるんですね。ちなみに、この質問は白さん質問通告しているそうなので、本来は中南米局長ではないと私は思いますけれども、お答えください。」 「議題となっております租税条約については、我が党は賛成です。その上で、アルゼンチン共和国との投資保護協定についてお伺いいたします。投資協定の背景として、外務省は、アルゼンチンに対しては日本企業の関心が高い、そしてマクリ政権発足以降、経済も安定し、また進出日本企業数が倍増しているということを挙げています。これ、一枚目と二枚目に資料で出させていただいています。また、外務省提供の資料では、ペソ下落に歯止めが掛かり、インフレ率も改善してきた、これ、途中までですね。マクリ政権の基盤が強化された、そしてまた二〇一八年から若干変わってきた、こういう理解で、外務大臣、よろしいですね。」 「今大臣がおっしゃったとおり、実はアルゼンチン、利率、インフレ率等については大きな懸念があると私も思っています。三枚目の資料を御覧ください、二〇一八年の十月に、確かにそういったスタンドバイ融資の合意があったんですが、実はその後課題になっているんじゃなくて、その後おかしな状況になっています。私の理解では、アルゼンチンは再びリセッションに入っていて、ドル建てのアルゼンチン短期債の利率は直近では二〇%を超えています。インフレ率は五〇%を超えました。二度目のデフォルトが懸念される状況になっていて、これ、大臣がおっしゃった合意は昨年の十月ですからね、その後おかしくなっているんです。そして、十月の大統領選挙では、これは、我が国政府としてはなかなか言いにくいと思いますけれども、報道によれば、マクリ大統領の再選すら不透明で、国内情勢が流動化しているという、こういった報道が数多くなされています。外務省が言っている説明と前提、違うんじゃないんですか、大臣。」 「大臣、日本の企業が二〇一七年時点で倍増した、これはそのとおりでございます。私もそのとおりだと思いますが、ただ、今年は二〇一七年ではないですよね。去年の調査だと思いますが、今年の二月、ジェトロが発表した調査が最後の二枚に付いておりますので是非御覧をいただきたいと思っています。ジェトロが現地進出企業に調査して今年の二月に発表した報告書では、景況感は大幅に悪化、南米の中で最悪であります。DIは中南米で最低、そして、本協定締結の背景として外務省がおっしゃってきた、こういった日本企業の期待というのは実は地に落ちているというのがこのジェトロの報告の中から読み取れます。具体的には、悪化と回答した率がその前の年では九・八%だったのが四一・七%に一年間で急増しています。投資環境面のメリットとリスクを考えるときに、外務省のこの説明の資料では、投資環境の透明性、法的安定性、予見可能性が向上したから早期締結したいと書いてありますけれども、実は、ジェトロの方というよりもこれ恐らく企業さんのそのままのアンケートですけれども、企業さんの方ではリスクの方が大きくなり投資環境は極度に悪化したと書いてございます。大臣、これ説明違うんじゃないですか。」 「可能性について誰も否定はしていません。大臣、経済がいいとか悪いとかという話、私、一切していません。そうじゃなくて、外務省が説明したことと現状と違うんじゃないんですかということだけしか聞いていません。最後のページを見ていただきたいと思います。二〇一七年時点で切れば、確かに日本企業は倍増していて、そして期待も高かったんです。しかしながら、二〇一七年度の調査で、アルゼンチン一番下ですけれども、拡大したい若しくは現状維持だというのはこれ一〇〇%なんですよ、進出企業。ところが、二〇一八年一年間で、今度は縮小や第三国地域へ移転や撤退が増えている、急増しているんです。大臣、二〇一七年で都合よく切ればそのとおりですけれども、直近で切るとこういう状況になるんです。私、申し上げているのは、経済いいとか悪いとか開放政策言っていることがいいとかじゃなくて、国会に法案を提出する以上、ファクトはファクトとしてきちんと出すべきではないですか。そうでなければ国民を、逆に言えば国会、我々は国民に選ばれていますから、国民を愚弄する詭弁だというふうにすら取られてしまいますよ。大臣、アルゼンチン経済は現状で不安もある、でも、おっしゃるとおり可能性もある、だから審議してくれというのはこれは分かります、我々も。あるいは、いやいや、急激に悪くなったのでちょっと止めておこうと、これも分かります。ただ、大臣、都合のいいところだけ切り取って出してきて、そして審議してくれというのはこれはおかしくないですか。大臣、是非、これファクトをもう一回出し直すべきだと思いますが、いかがでございますか。」 「だったら、日本企業も注目とか、これ言い切らないでくださいよ。いいときだけ取り上げてきて、日本企業も注目、だからやってくれと、これはおかしいですよ。大臣がおっしゃるように、可能性否定していません。そして、アルゼンチンの重要性も私は否定していません。経済は流動的だ、これも全く否定していません。ただ、議論をさせるのであれば、きちんとしたファクトを出してこないと我々審議できないんじゃないんですかというふうにしか、それを聞いているんですけど、大臣、いかがですか。」 「ならば聞きますけれども、ジェトロが言っていることはこれはうそですか、じゃ。景況感は極度に悪化した、悪化と回答した企業は半分、投資環境のメリット、リスクでは大きくリスクが増えている、そして撤退も考えている、これ全部うそですか、大臣。」 「潜在的な可能性は一切否定していません。ここは大臣と私、共通しています。アルゼンチンの重要性も共通しています。ただ、出す以上、きちんとしたファクトを出してきて議論をするというのは当然の話じゃないんですかとしか私は聞いていないんです。ジェトロの言っていることは、これ否定されるんですか、大臣。」 「この条約を今国会に出してきたのは今年の頭で、ジェトロのリポートの後であります。是非これは、私、審議をする上で、きちんとしたファクトを出していただいた上で、私、賛成です、アルゼンチンとの関係考えれば。そうじゃなくて、このファクト自体がおかしいと申し上げているわけなので、これ委員長にお願いしますけれども、ちょっと、もう一度これ理事会を開くなりなんなりして、これ取扱い議論するべきだと私は思いますけれども、いかがですか。」 「本件については、今ちょっと話をさせていただきましたように、ちょっと、少し理事会、筆頭理事間で協議をさせていただきたいと思っていますが、その一方で、今、利率の話、インフレ率の話はありました。もう一つ、企業の期待が高まっているということについて、逆の説明もほかの政府機関から、政府系の機関から出ています。ここについて整理して、局長からで結構でございますので、答弁をいただきたいと思います。」 「そして、その上で、大臣に最後だけ、一つだけ。こういった、その出すときのファクトについては、いいことも悪いこともあると思います。アルゼンチンに対するその可能性や重要性は私も共有していて、我が党としてはこれ是非賛成したいと思っている条約ですから、その前提については厳しく見ていただいて、いいことも悪いこともしっかりと報告をしていただけるよう、是非最後、御答弁をお願いいたします。」


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