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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


議員名玉木雄一郎(国民民主党)

2019年10月10日

委員会名衆議院 予算委員会


「まず、災害対応について伺います。今、台風十九号が近づいています。進路に当たる皆さんには十分に警戒を促したいと思います。さて、総理、この稲を見てください。これは佐賀県の稲なんですが、実はしょっぱいんです。これは塩害の被害を受けていて、非常に風が強かったので倒れた稲もあるんですが、倒れていない稲もあるんですけれども、江藤大臣よく御存じのとおり、農業共済は収量保険なので、量がある種被害を受けないと、質だけ悪くなると共済の対象にならないと少なくとも懸念する農家がいます。それぞれ個々の農家の状況というのはさまざまですので、きめ細かな対応をしていただきたいと思いますし、今、台風十五号の対応の話をこれからしますけれども、九州北部豪雨の被害も決して忘れることなく、しっかりと対応をしていただきたい。特に多くの農家が困っていますので、この点についての対応、万全を期していただきたいということをまず申し上げたいと思います。そして、台風十五号に対する対応であります。千葉県を中心に甚大な被害が、そして大規模な停電が発生をいたしました。しかし、台風十五号の接近の際に、八月の台風十号で開催をした関係閣僚会議さえ開かず、内閣改造ばかりに意識が向いて対応がおくれたのではないでしょうか。それが倒木処理のおくれなど、特に初動対応のおくれにつながり、大規模かつ長期の停電につながったのではないかと思います。思い出していただきたいんです、一九九九年ですけれども、東海村のジェー・シー・オー事故が起こったときには、当時の野中官房長官が進言をして、小渕内閣の組閣は四日間延期をされました。今回も本来であれば、組閣をおくらせて、万全の対応でこの十五号対策に臨むべきではなかったんでしょうか。菅官房長官からそういう進言はなかったんでしょうか。総理、組閣をおくらせてでも万全の対応をすべきではなかったか、こういう指摘に対してどうお感じになりますか。」 「次に、これは通告していませんけれども、大事な話なので、まず冒頭伺いたいと思います。北朝鮮の漁船と水産庁の取締り船との衝突事案についてであります。七日、大和堆周辺海域で、水産庁の取締り船「おおくに」が、北朝鮮船籍と見られる漁船と衝突しました。北朝鮮の船は沈没し、乗組員が、約六十名が漂流、「おおくに」の救命艇二艇がこれを救助したとされています。しかし、六十名はそのまま、後で来た別の北朝鮮の漁船に移乗させて帰国させています。これは違法操業のおそれもあります。なぜ、せめて事情聴取だけでもして、我が国としてのしっかりとした法執行をしなかったのか、北朝鮮のやりたい放題を許していいのか、そういう声もありますけれども、総理の考えを聞かせてください。」 「次に、安倍総理に改めて伺いますが、来月、総理は、桂太郎総理を抜いて史上最長の総理大臣となられます。残された任期の中で何をなさろうとしているのか、何を歴史に残すのか。やはり憲法改正なんでしょうか、あるいはデフレからの脱却なんでしょうか。総理のやる気をこれから一番何に傾けるのか、お答えください。」 「余り憲法改正についての言及がなかったんですが、どうなんでしょう、総理。総理のやる気がだんだんなくなっているんでしょうか。党内も大変なんだと思いますけれども、二階幹事長とかは大丈夫なんでしょうか。今週、大島議長が国民投票法案を臨時国会で成立させたい旨の発言をして問題となりましたけれども、私たち国民民主党は、CM、広告規制等を盛り込んだ国民投票法改正案を既に提出しております。また、立憲民主党の枝野代表も、CM、広告規制は必要だという立場を何度も表明をされておられます。ただ、与党の皆さんと今議論していると、いわゆる七項目、公職選挙法改正に伴う、船員さんが洋上で投票できるとか、そういった機械的、技術的な改正についてのみやろうということで提案がありまして、その点について我々として反対するものではないんですが、ただ、現行の国民投票法についてはやはり幾つかの問題点があって、抜本的な改正が必要だというのが我々の立場であります。その一つが、やはり、お金の、資金力によって打てるCM、広告量、ネット広告も含めて差が出て、国民投票というものが公平に行われないのではないかという懸念についてはしっかり手当てをしなければならないと思っています。もう一つ、これは国民の皆さんにも現行国民投票法の問題点を提起したいんですが、それは、国民投票活動を行う団体等に対する外国人の寄附規制であります。例えば、憲法九条の改正案が国民投票に上ったことをイメージしてみてください。その賛否について、こちらいいですよ、こちら悪いですよという活動をする団体に対して外国勢力から資金的なサポートが大量に行われて、それに基づいてまさにCMとかさまざまな活動が行われていたときに、それは果たして我が国の基本法である憲法を議論するその手続、プロセスとして適正なのかということは、これは国民の皆さんにもぜひ、特に保守派を名乗る皆さんに提案したいと思います。我々国会議員は外国人から寄附を受けられませんよね。受けられません。それは、我々が国政に身を置く者として、外国の勢力を受けなくしているからです。ましてや、国の基本法たる憲法の国民投票において、その活動が外国の勢力の下に入るなんということはあってはならないと思います。ですから、もちろん七項目の議論はしたらいいと思います。しかし、単にそれだけ通して次に行って、中身の議論、では次ですということではなくて、この手続法をきちんとやはりしないと、まともな憲法改正の議論もやはりできないんじゃないか。あるいは、いい議論をしてそれを発議してかけたとしても、今言ったような問題が生じていたのでは正しい結論に至らないと思うんですね。そこで、総理に改めて伺います。国民投票法案に外国人の献金規制を導入することが私は不可欠だと思いますが、総理の考えを伺います。」 「最後に、総理、憲法についてもう一問です。二〇二〇年、来年に憲法を改正して施行しようというのは読売新聞でたしかおっしゃったんですが、そのスケジュール感にお変わりはないのかということと、あと、本当に円満、円滑にやるのであれば、今の自民党の条文イメージ案、特に九条の改正案は取り下げませんか、一旦。その方が、やはり、私は九条も含めて議論すればいいという立場なんです。ただ、与党の中にも野党の中にも、九条に関してはやはりさまざまな思いがありますよ。だから、コンセンサスをとってやはり物事を進めていくという憲法調査会、憲法審査会の伝統から考えれば、一旦これを取り下げるということが審議促進になるかと思うんですけれども、スケジュールと、この中身について、いかがですか。」 「次に、日米貿易協定について伺いたいと思います。先ほど公明党の石田先生からも話がありました、メリットは何なんだということなんですが、総理はウイン・ウインと言いますね。私、いろいろ文書を調べましたが、アメリカ側でウイン・ウインという言葉を使っているところは一カ所も見当たりませんでした。ライトハイザーさんの記者会見も全部読みましたけれども、ウイン・ウインという言葉は、アメリカ側はなかったんですね。これ、一部出しますけれども、パネルを見てください。日米貿易交渉のライトハイザーさんの言葉なんですが、こう言っていますね、まず。アメリカが払う犠牲、特にこれは自動車関税のことですけれども、これはTPPより著しく少ない、英語で言うと、サブスタンシャリー・レス・ザン・ハズ・ビーン・ペイド・イン・TPPということを言っていますね。さらに、自動車関税、この後議論しますが、この協定に含まれていないと。ディドント・インクルードといって、明確に言っております。要は、アメリカからとったらウインは多かったんだと思いますが、日本側にとっては、これは単に農産物の関税を譲るだけになっていて、しかもセーフガードはTPPのままで一緒ですから、例えば牛肉なんかにすれば、実質、やはりTPPよりも低下しているとも言えるわけですね。まず総理に伺います。先ほど総理が二番目のメリットとして石田委員に答弁した、追加関税の回避についてであります。無理難題言ってきて、二・五%の関税を二五%にするなんてむちゃくちゃ言うのは、アメリカがけしからぬと思いますよ。だから、そういうけしからぬことを言うトランプさんやトランプ政権と、茂木担当大臣も含めて対応されたことは高く評価しますよ。ただ、総理がおっしゃるように、追加関税の回避って本当にできていますか。首脳会談で確認したということで今も答弁がありましたけれども、質問です。この追加関税の回避については、文書上どこに明記されていますか。明確な答弁を求めます。」 「総理、覚えていますかね。二〇一六年の四月、TPP特別委員会で、私は質問したんですよ。何と質問したかというと、要は、協定の間のさまざまなやりとりもあるし、発言もあるから、それも全部含めて情報公開してくれと。出てきたのが、あの真っ黒のまっくろくろすけだったわけですね。総理が当時おっしゃっていたのは、交渉というのは結果が全てで、文書に、テキストに残っているのが全てなので、そっちを見て議論してくれと言われたんです。ただ、今聞いていると、協定の文書とか関連の附属文書ではなくて、少人数会合で確認したこととか首脳間で約束したことの方を重視するように、何か随分ダブルスタンダードになっているなという気がするんですね。(発言する者あり)これは大事なので聞いてください。それで、じゃ、伺います。共同声明の中の最後の、日本語で言うと、この協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動はとらないということなんですが、この協定の精神って何なんですかね。確認していますか。議事録はありますか。協定の精神とは一体何を指すのか、明確に協定の中から条文で教えください。」 「ちょっと確認しますが、その口頭の約束は議事録はありますか。公文書ですか、それは両国の。」 「私は、これはなぜ言っているかというと、追加関税を回避できるかどうかというのは非常に大きな問題なんですが、先ほど、唯一の根拠が、誠実に履行している間はこの協定あるいは共同声明に反することはしないということなんですが、私が何で、じゃ、協定の精神というのは一体何なのと聞いたのは、協定の四条の二項に何て書いてあるかというと、この協定は、自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める措置を適用することを妨げないと書いてあるんです。どういうことかというと、安全保障上の懸念があったときにはこの協定の限りではないというのがこの協定の趣旨なんです。ということは、わかりますか、皆さん、この協定に反しないことをする形で追加関税は可能なんです。なぜなら、二三二というのは安全保障に基づいてアメリカが課していくという理由になっているからです。だから、ここは非常に私は重要なところで、追加関税を回避することができました、その根拠が、この協定に反することはしないですよということが根拠なんですが、この協定に何が書いてあるかというと、安全保障の観点からはいろいろできますよと書いているんですよ。だから、そこはきちんと詰めてほしいし、文書で残っているものと単に口頭でやっていることがずれたときにどっちが優先されるかということは、リーガルにぎりぎり詰めないとだめだと言っているんですよ。繰り返しになりますが、何で私がこういうことを言っているかというと、いっぱいそれを私は言われたからです、二〇一六年に。こう言ったんですよ。妥結した結果が全てであって、文書が全てであって、それに至る過程、交渉過程で相手の言った言葉については重視しない、安倍総理の言葉ですよ、これは。だから、水かけ論は避けたいので、今委員長にお願いした、追加関税を回避するための大きな根拠になっている両首脳間のやりとり、関係の会合のやりとりについての議事録を、全てこの委員会に提出することを改めて求めたいと思います。次に、もっと重要なことをやります。今回の交渉は、大変な相手の中でよく頑張ったと思いますよ、茂木大臣は本当に。ただ、越えてはいけない一線を越えているから、私は問題にしているんです。端的に言いましょう。今回の合意内容はWTO協定違反です。ここについての明確な反論をいただくために、今から質問したいと思います。ガット二十四条は、この業界では非常に有名な文書ですけれども、基本的に、最恵国待遇というのがあって、ある国と結んだ優遇措置は加盟国全てにひとしく及ぼそうというのがWTOの原則です。ただ、例外があって、一部の国とだけ、あるいは二国間だけでお互いいい感じでまとめることを必ずしも否定していないんです。ただ、そのときには条件が幾つかあって、一つが、実質上全ての貿易について関税を撤廃するということが、例外的な措置としてやるときの条件として定められています。これは、過去の政府の答弁、役所から、外務省等からの答弁もありますけれども、大体二つ基準があって、九割、大体金額ベースで九割ぐらいの、全貿易、例えば日本からアメリカに輸出している物品の九割ぐらいを全部関税撤廃する。これは量的な規制、量的な条件です。二つ目は、質的な条件というのがあって、これは主要品目が省かれていないということです。日本からアメリカの主要品目は明確に自動車と部品ですから、この二つが明確に関税撤廃の対象になっているということがないと、その協定はWTO協定違反、二十四条違反です。それで、伺います。自動車とその部品を除くと、これは私はちょっと調べてきましたけれども、大体、日本からアメリカに輸出している品目のうち、三割ぐらいは自動車、完成車です。部品が六%で、原動機と書いています、これはエンジンですね、これが六%ぐらいで、これが全て関税撤廃の対象から外れると、単純計算すると五九%で、六割いくかいかないかです。これは改めて伺いますが、自動車と自動車のパーツについてはライトハイザーさんが、さっき言ったように、今回の協定には含まれていないんです。それはアメリカが明確に、さっき言いましたよね、自動車か、オートタリフ、オートパーツもそうですね、含まれていませんと。含まれていないんですよ。含まれていないということは、今回の協定で確実に関税撤廃になる、この比率って一体幾らなんですか。これは本会議でも聞かれていたので改めて聞きますが、お答えください。」 「いや、それは説明がうそですよ。だって、じゃ、聞きますよ。関税撤廃は、自動車と、完成車と部品については全くこの合意の中には入っていないわけですよ。将来の、確かに、一部将来撤廃するということが約束されたら、それもカウントすることはあります。ただ、そのときには幾つかまた厳しい条件が、それは抜け駆けする国が多いから。WTOというのはよくできていて、一九九四年のWTOの、ガットの規定の中で、確認、ここに書いていますが、解釈了解というのがあるんですよ。そういう何か抜け駆けを、決まってもいないのに、将来やるから、継続協議にするからカウントしてもいいということを言うような国がいっぱい出てくることを予想して、今の日本みたいに。それで、そういうことを防ぐために、九四年ガット二十四条の解釈に関する了解というのがあります。これは外務省のホームページにも載っています。そこの中で、確かに継続協議していっていいんだけれども、妥当な期間の中で関税撤廃しないと、さすがに何でもかんでもそこに入れられませんよとなっている。御存じですよね。その妥当な期間というのは、これは原則十年以内になっています。ただ、例外的に、例えばTPPのときそうでしたけれども、たしかピックアップトラックは三十年、パッセンジャーカーは二十五年といって、十年を超えたものも、ただ、決めれば認められるんですよ。ただ、原則十年以内となっていますね。伺います。今回の、今、茂木大臣は九二%ということで、自動車も自動車部品も含めて、確実に関税撤廃される対象として計算の中に入れておられましたけれども、この関税撤廃の期限は一体どこに協定上明示されていますか。」 「日本とアメリカの関係で典型的なこの自動車のように、主要品目において関税撤廃期限を定めずに締結したFTAはありますか。」 「テレビを見ている人は何が何だかわからないと思いますが。これは不思議なんですよね。今、茂木大臣が読み上げたのは、この協定書の附属文書2というものです。附属文書2というものです。今、茂木大臣も英語が堪能なので英語で言われたんですが、これは、皆さん、大体、協定書というのは英語と日本語で正文を二つつくるんです。ただ、この協定書の第十一条で何と書いているかというと、「この協定は、日本語及び英語をひとしく正文とする。ただし、附属書2は、英語のみを正文とする。」と書いています。今大事なところを言ったのは、英語しか正文がない。私も多少英語ができるので言いますと、今おっしゃったのは若干誤解があって、約束されているのはファーザーネゴシエーション、つまり、さらなる交渉であって、関税撤廃が約束されているわけではありません。ですから、まさにそこを根拠に関税撤廃ということを言うのであれば、それは間違っています。実際、ライトハイザーさんもそのことを記者会見の中で言及しておりますけれども、繰り返し申し上げますが、約束されているのは交渉であって関税撤廃ではないので、一体いついかなる形で関税撤廃が行われるかわからない自動車や自動車部品を入れて、それで関税撤廃率を計算して発表するのは、それは国民を欺く行為です。それだけではなくて、では、総理にこれは伺います。総理の本会議の答弁なので総理に伺いたいんですが、八日の代表質問で総理が答弁した中に、自動車及び部品についてはあくまで関税撤廃が前提となっている、あくまで関税撤廃が前提となっているということなんですが、それもやはり、先ほど茂木大臣がおっしゃった、あの同じ部分を指して関税撤廃が前提になっているということでおっしゃっている理解でよろしいんですね。」 「最後に、消費増税の日本経済への影響について伺います。安倍総理、これは二回延期して、今回増税ということですが、これまでもそれで、延期のたびに議論させてもらいました。それぞれ、こうおっしゃっているんですね。二〇一四年十一月の延期のときには、二%の引上げは個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくする。そうですね。二〇一六年六月、伊勢志摩サミットのときでしたか、再延期では、あのとき何か、リーマン・ショックが起こるという怪しげなペーパーが出たときですよ、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきという新しい判断を示されたわけですね。その横です。景気動向指数で、一致指数と先行指数をプロットしてみました。私、心配しているのは、一致指数もそうなんですが、先行指数の、二〇一七年半ばからのこのフリーフォールのように落ちていく、極めて、先行指数ですから、ちょっと先を見た動きなんですけれども、これが真っ逆さまに落ちていっていますね。過去延期したときに比べても、赤線も大体同じレベルですが、青線は更に悪化しているわけですね。私は、ここは総理と一致するんですが、デフレ下でやはり増税しちゃだめだと思うんですよ。ただ、その環境を整えてきたということなんですが、このままやるとデフレに逆戻りするんじゃないのかなと。私は、今、世界経済も日本経済も、さまざまな指標を見ていますけれども、いずれも、リーマン・ショックからもう百カ月以上たって、世界的な大きな不況の入り口にあるのではないか、不況よこんにちはという状況に今なっているのではないかなと思っているんですね。つまり、税率を上げても税収が必ずしも上がらないような状況にさえ今陥りつつあるのではないのかなと思います。そこで、総理に伺います。デフレ脱却が十分実現していない中での今回の消費増税というのは、日本経済に致命的な影響を与える懸念もありますけれども、総理の認識を伺います。」 「総理、大丈夫ですか、本当に。これは、私、相当心配しています。私も、ある程度やはり歳入歳出両面の改革が必要だと思っていますけれども、今回は、あえて言うと、やるのなら今までにやっておく方がよかったと思いますよ。ここは、一番やってはいけないタイミングで、一番やってはいけない形で増税をしようとしていますよ。これは本当に、場合によっては、日本経済だけではなくて世界経済にも影響を与えたとしたら、総理、どう責任をとられますか。私は、今やるべきは増税ではなくて積極的な財政拡大だと思いますよ。特に、将来の成長や税収増につながる分野については、私は大胆にやはりお金を投じることが今必要ではないかなと思います。いわゆるアベノミクスということで金融緩和をやってきましたけれども、幾らやっても、物価上昇率二%、いかないですよね。ただ、私、非常に安倍総理を評価しているのは、アベノミクスをやることによって、金融緩和だけではだめなんだという壮大な社会実験が終わったんですよ。そして、その結果、金融緩和だけではだめなんだということがわかったという意味で、私、歴史的に意味があったと思うんです。問題はこれからなんです。私は、財政の季節に入ってきたのかなと思います。アベノミクス、あるいは世界の金融緩和の一つの副作用であり、私は、これをメリットに転じたらいいのは、この低金利、これをどう活用していくのかということを実は積極的に考えたらいいと思っています。これは今回の、増税した、あるいは総理がおっしゃるような、アベノミクスは成功して自然増収が上がったという、この間のお金がふえた分を一体何に使ったかということを整理してみました。そうすると、これは三党合意でまさに約束したように、一対四で社会保障の充実、教育を含めた、それと、赤字国債の発行抑制がその一対四のうち四つ、その意味では、社会保障の充実と新規国債発行とかには確かに充たっているんです。これを見ていただきたいのは何かというと、文教科学は〇・〇四減っています。公共事業も安倍さんになってからふえたというのがそんなにふえていなくて、地方交付税はどんと減っていますね。つまり、増税してもなお、これから将来の、まさに未来への投資として必要な教育とか科学、こういうところにお金が行かないんですよ、増税しているのに。増税しなかったらもっと行かないですよね。こういうことで、日本のこれからの科学技術とか成長の種は大丈夫なのかということなんです。吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞されました。心からお喜びを申し上げたいと思うんですが、こういう方が将来出てこなくなるかもしれない。そこで、麻生大臣に伺いたいんですが、私は、これから一番大事な資本は人的資本だと思うんですね。ネットを中心とした、このナレッジソサエティーという知価社会になっていっていますから。その意味では、教育や子育てやあるいはそういった科学技術に対してどんどん投資していくことが必要だと思います。まさに人づくりこそ国づくりですから。あるいは、教育は国家百年の計と言われますよね。今のこの低金利やマイナス金利を生かして五十年債や百年債のような超長期国債を発行して、戦略的な投資の財源を今こそ私は見つけて、そしてそれを大胆に投資することによってデフレを脱却していく、こういう政策に大きく転換していくチャンスだと思うんですけれども、麻生大臣、いわゆる五十年債、百年債といった超長期国債の発行について、財務省として検討されるお考えはありませんか。」 「アメリカは、今度五十年債を発行するやに聞いております。ぜひ、よくライアビリティーマネジメントと言いますけれども、この負債の管理をどうしていくのかというのは、やはり金利の動向をよく見ながら、そして今、日本社会に何が求められているのかということをよく考えて、積極財政で私は臨むべきだと思います。リーマン・ショックが起きたときに、イギリスは、一七・五%あった消費税率を一時的に一五%まで、二・五%減税しました。これから、あってほしくないんですが、そういった世界的な景気の悪化、特に消費が急速に縮むようなときには、私は、消費税の減税も含めてさまざまな経済政策の手段を検討しておくことは必要だと思うんです。その一つが、今の長期国債、超長期国債であり、あるいは消費税に限らないさまざまな減税策だと思っています。そういった消費減税も含めた機動的な財政運営について、安倍総理、いかがでしょうか。お考えになりませんか。」


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