希望日本賛同議員国会発言データベース
賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。
(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。
また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)
羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。
発言の詳細を表示します。
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議員名和田政宗(次世代の党)
2015/3/23
委員会名参議院 行政監視委員会
「実は、私は防災の研究者でもありまして、震災前から各地の津波防災の歴史を調べているんですが、今回の巨大防潮堤建設については持続可能な津波防災という観点からも大いに疑問があるというふうに思います。コンクリートの耐久性ということを考えた場合に、コンクリートの寿命というのは大体六十年、もって八十年くらいです。一方、稲むらの火の物語のモデルになった和歌山県広川町の広村堤防、これは江戸時代の安政南海地震津波の教訓を受けて造られたわけですけれども、防潮堤を土塁で築きまして、木を植えて強度を高くし、その後の昭和南海地震津波でも町を守りました。また、宮城県沿岸においても、仙台藩祖伊達政宗公が、今から四百年前の一六一一年に起きた慶長の大津波、これは今回の震災の津波と同規模であったと推測されますけれども、沿岸一帯に松を植えて防潮林を造りまして、日本一の運河も造りまして、それらは今回の津波でも減衰効果をもたらしました。こうした考えを今回の震災復興で取り入れましたのが宮城県の岩沼市でして、コンクリートの防潮堤は結局朽ち果ててしまうのだから、土で丘を築いて、木を植えて、強固な避難場所にしていこうという千年希望の丘という事業を海岸の近くで行っています。このように、結局コンクリートの防潮堤は何十年か後に朽ち果ててしまいまして更新に膨大な費用が掛かるということで、独自に手を打っている市町村もあるわけですが、このようにごく一部なわけです。そして、復旧事業で真に命を救うというのであれば、高台に逃げられる避難道を整備したり、避難道を広げて逃げやすくするといった手を打つべきで、それでも間に合わない場合に時間稼ぎをするための防潮堤を造るという形になるはずなんですが、今回の震災復旧の事業では順序が逆になっております。それもこれも、復旧の名の下で行われている巨大防潮堤事業については国費で一〇〇%賄われるわけです。本当に必要のない高さと予算であっても、県としては、とにかくもらえるものはもらっておこう、造れるものは造っていこうという考え方になるわけです。今月になりまして、竹下復興大臣が復興事業について、基幹事業でないものについては自治体に一部負担を求めると発言しておりますが、私は本当に必要な事業とそうでない事業を精査するためにもこれは当然のことだというふうに思っております。この巨大防潮堤事業については、先日、仙台で開かれた国連防災世界会議で各国の専門家や政府関係者とも議論をしましたけれども、ほとんど全ての海外の研究者、政府関係者、これはちょっとおかしいなと、このままではおかしな復興になるぞというふうに述べておりました。そこで質問をしたいというふうに思いますけれども、私は、復興事業については総合的にはいい評価というのはしているんです。ただ一方で、問題点については、この巨大防潮堤を含めて改善しなくてはならない点というのもまだまだ多いというふうに思うんですね。参考人の方々、それぞれの分野で専門家でいらっしゃいますから、どのように考えているかというところをお聞きできればというふうに思います。」