ストーカー、DVの被害実態をまとめてみました

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被害者の増加傾向を受け法改正

ブログやツイッターなどSNSを利用したストーカー対策を強化するための改正ストーカー規制法(※1)が可決、成立しました。

改正法が成立した背景として、ストーカー、さらにはドメスティックバイオレンス(DV)の被害者が増えているといわれます。

現代社会の病理、ともいえるこうした行為による被害者は、ではいったいどのくらい増えているのでしょうか。
ストーカー、さらにはDVの被害実態を調べてみました。

警察によると、2015年(平成27年)に把握したストーカー被害は2万1968件(前年比3.7%減)、DV被害は6万3141件(同6.9%増)でした。

ストーカー被害データ

ストーカー被害は3年連続2万件を超えた

ストーカー被害は対前年比で減少していますが、4年ぶりの減少でも、3年連続2万件を超えている実態に変わりはありません。
しかも統計の残る2000年(平成12年)以降では2番目の多さなのです(2014年が過去最悪)。

被害者の9割近くは女性(男性も10%います)。
相手との関係は、配偶者や交際相手が合わせて6割近くを占め、面識のない相手からの被害もあります。

2万件余のうち事件摘発に至ったのは2415件。
刑法などの適用による検挙は減少していますが、ストーカー規制法違反検挙よるものが増えています。

事件摘発の内訳は脅迫362件、住居侵入315件、傷害197件など。
殺人はありませんが、殺人未遂は11件にもなります。

DV被害データ

DV被害は過去最悪に

一方、DV被害は6万3141件と、過去最多を更新しました。

2014年に法改正(※2)されたことを受け「同居する交際相手からの暴力」が追加され、件数を押し上げています。

6万件余のうち摘発は8006件(対前年比14.5%増)で、殺人・殺人未遂は99件、傷害致死は2件にも至りました。

こうしたストーカー、DV被害の増加を受け、今回の法改正などで対策・規制を強化、また日本司法支援センター(通称、法テラス)による法律相談を開設する、といった対応も出ています。

 

※1 ストーカー規制法:ストーカー行為への規制などを行うことにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止することを目的として2000年(平成12年)に施行された。2013年の法改正により「執拗な電子メール」が追加。2016年の法改正は、SNSを使ったストーカー行為を新たに規制の対象にすると同時に罰則を強化している。

※2 DV防止法:配偶者等からの暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することで、夫やパートナーからの暴力の防止、及び被害者の保護・支援を目的に、2001年(平成13年)法律が施行された。法律名は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、通称はDV防止法、2014年の改正により同居する交際相手からの暴力が追加された。

※各データは警察庁から