厚生労働省の統計から見る日本の重要施策とは

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国予算の40%を占め、17年間で13兆円も増えた

少子高齢化の進む日本、雇用問題が浮上する日本において、社会保障や労働を管轄する国の機関は厚生労働省です。
それでは1府13省庁ある国の機関の中で、厚生労働省はどんな位置にあるのでしょうか、予算の面から見てみたいと思います。

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厚生労働省の統計、予算は1府13省庁の中ではダントツの多さ

直近の平成29年度概算要求(各省庁の要求・要望段階、国の予算案になる前段階)を見ると厚生労働省予算は約31兆円です。
国全体は101兆円なので、このうちの30%を占めています。
国の全体予算の中には国債費、つまり借金が24兆円も含まれています。
なので実際に使う予算に占める割合は、実は40%にもなるのです。
もちろん1府13省庁の中ではダントツの多さ。

厚生労働省予算推移

国土交通省の予算は8兆円が6兆円に減少

ではこの厚生労働省予算がどのように推移をして今に至っているかを見てみたいと思います。
高度成長期の日本経済を支えた政策は公共事業ともいわれます。
そこで公共事業を担う国土交通省予算との対比をしながら見たいと思います。

17年間の統計推移を大きく見てみます(財務省データから※)。
国の予算は、13年度の82兆円が直近の29年度で101兆円と、19兆円増えています。
国土交通省は、13年度の8兆円が29年度の6兆円に、2兆円の減少。

国予算推移 国土交通省予算推移

これに対し厚生労働省は、13年度の18兆円が29年度には31兆円と、実に13兆円も増えているのです。
厚生労働省は13年度の国家予算に占める割合が20%台だったものが29年度では30%台にまで拡大しています。

国家予算の多寡が、その政策の重要性と即リンクしているとは必ずしもいえないと思います。
しかし、少なくとも私たちが生きるこの国の予算の中で(もちろん原資はわたしたちの税金です)、いまや圧倒的に多くの割合を占めているものが厚生労働省の予算であることは間違いありません。

厚生労働省の施策は、社会保障と労働だけではありませんが、同テーマが厚生労働省の予算の多くを占めていることも周知の事実です。
少子高齢化を背景とした社会保障、アベノミクスの中の主要テーマとして浮上している労働問題、これらのテーマが現在の日本の最も主要な課題であることは、この厚生労働省予算からも裏付けられることができそうです。

※旧大蔵省から財務省になった中央省庁再編のタイミングからの17年間データを利用